おなもみ
いつもずっと、僕と一緒に座っている時間なんてない癖に口ではそんなことないよという、ほんとは僕と一緒に座っている時間なんてないと思っている癖に、僕と一緒に座っている時間ほど無駄な過ごし方はないと、何も得るものはないとわかりきっている時間だと、そういうふうにいつだって彼女は心の中では僕と一緒に座っていたくないと思っている癖に、裏腹に笑顔は作り続けるし、席も起たずにいる、確実に何かは積み重なっていってた、なのにやっぱり彼女は、僕と一緒に座っている時間なんてないのだと感じている、それは絶対の、動かしがたい事実で、だから何度も何度も彼女はもうちょっとのところで直接いいそうになったぐらいだ、僕と座っている時間なんかないんだと、お互いに次に行くべきなんだ、と、もっとも僕が彼女のいる場所を失えばもうあとはないのもわかりきっているけど、と、でも彼女はそんなことないという、彼女は僕と一緒に座っている時間なんてない癖に、そうじゃないと、でも心の中では彼女はそう感じている、僕と座っている時間なんかじぶんにはないのだと頭の中では彼女はそればかり、だけどもし僕との時間をどれもなかったことにして、そのぶんの時間を好きに使えていたとしたら、なら他に一体何がじぶんにできていたのかとなると具体的なことを彼女は思い描けているわけではない、まったく! それでも、尚も彼女は思う、彼女は口に出せない思いを持ち続ける、とにかく違う、僕は違う、僕と一緒に座っている時間は違う、と、だから彼女はこう感じることになる、僕と一緒に座っている時間なんかないんだ、と、その割に彼女は口では、僕と一緒に座っている時間なんてない癖に彼女は口では、そんなことは全然ないよという。
ほんとにそうだったらいいのに。




