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彼女の大丈夫のドミノ






 また新しい熱く苦いだけのコーヒーが出てくるまでの待機時間、あたしたちには不意に思い出したかのように気にしはじめる彼女の存在がある。

 傾いて笑ってみせはする。

 でもあたしたちはそんな笑顔が好きじゃない、教室の端か中央かなんてどっちでもいい、もうすぐドミノと名付けられてしまうような事態をあたしたちは目にすることになる。



 それはたぶん同じこと、どちらの側にとっても同じことなんだ。

 いつも、見てられなくなる。

 ドミノ、なんて呼んでいいことは誰も起こすべきじゃない。



 お前らは頑丈だろ、といわれる。多少なら構わないだろ、といわれる。

 どんどん難しくなる。ほんとうにそう。

 ほんとうに見てられなくなる。

 あたしたちは、ぽつんと一人でいる時の何かしら尋常ではない彼女のほうから音がないかと、殆ど期待する。



 それはそれだけのことだ、って思おうとしたことが遥か昔みたく思える、彼女の、大丈夫のドミノ。

 見てられない、だとしてもそれに勘づいた人はくるりときびすを返しそこから退出すればいいんだそれだけのことだ、って。



 いつも決まって彼女のドミノは、綺麗な、その時だけにしか聞かせてくれない曲ででもあるみたいに、あたしたちに響く。

 終わりも、はじまりもない、彼女のドミノがあすにも出現しそうだ。

 名付け親はいつか絶対あたしが殺す。












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