ばいばい、すごくたのしかったよ
恋人に去られてから早いものでもう124秒、しょうゆ味のヌードルがたいへん美味しゅうございます。だから何?
空にした容器を床に置き、胸に手をやると私の鼓動はちゃんとしている。規則正しく。それが何?
確かに、抱き締められて、鎮痛剤の代わりになどならない、と呟きそうになった。確かに、唇で海を連れてくるだけの彼だったなあと今私は思っているし、確かに、結局のとこ夏が終われば脆くなるものもあるっていうのの証明というか、移動教室で声をかけられる人は一人としていない。
だけど、それが何?
虚しさは全部箱に入れた。
「ブックオフオンラインなのだかネットオフなのだか、どう呼ぶのが正解なのやらわからへんけどさ、さっさとその場所へお逝き」
そう声に出していうのはアリよりのナシ。
風に舞い上がる一枚のフライヤー。拾われないまま風にレイプされてるチラシがじぶんの人生と重ならない、人生って泣いて終わるものだから。
皆んないうことは一緒、人間は人間に恋愛をしなきゃ駄目なんだってこと。シンガーソングライターを名乗るやつらも大概いってる。脅してるも同然。人生泣いて終わりなんて嫌すぎる。そんなエンディングなんてどこのブックショップの棚にも差してある。
「おもいだすことができなくなりますがわすれることをおすすめします」
ぼんやりゲームをしてる最中にいつか画面に表れたその一文。
私にとっては、でもそれは、なんだかとてもいい台詞みたいに思えたの。




