しけった話

恋の犠牲者数は

　予言者をちゃんと生け捕りにして、拷問部屋の椅子に座らせて、然るべき措置をしたのち彼の見ていることを彼の口から全て吐かせられるのを可能にできる、そんな人間、わたしのような女はだからつまりしっかりと生け捕りにした上で、彼が自殺もできないように工夫を毎日忘れず、予言者を１００パーセント自身にとって都合の良い予言者へと育てられるようなスキルを習得しておくべきだ、そういう必要性はいつだって恋する人になら大分生じているはずだもの、少なくともわたしのような人間が他者に心からの愛を抱いた時には、心の拠り所となる言葉が要る、絶対的な信用が必要になってくることは明白だったからだ。