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小さい頃から






 天使か悪魔か分からないけれど、わたしは教室にいるとき囁く声を聞き続けていた。そうして声たちのいうとおりにしたり、しなかったりもしたが、結果は同じだった。いつもわたしらしい結果にしかならなかった。厳密にはどういうことがあったのか、わたし自身にも分からない。途中から何が起きているのか上手く見えていたためしはなく、言葉にするのも不可能なのに、わたし以外の者になら誰だって、それを最初から最後まではっきりと見えているし、それがどういうことなのかも言葉にできる、そういうふうな事柄なのだということしかわたしには分からない。どの教室でも似たようなものだった。わたしに決められるものなど何一つなかった。選択肢があるとすれば、椅子の上から動かず、日が沈むまでずっと俯いていることがそうだった。でも何にしろ血は流れたし、汗と涙でわたしの何もかも潰されていたけれど。そしてだからこそわたしはいいたかったのだ、わたしは何もしていない、と。わたしは何もしなかったと、せめてじぶんに向かっていえるだけ、何だかまだましなような気があの頃からわたしはしていたのだ。















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