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毎日






 好きなものは、僕の耳を塞いでくれるイヤホン。唯一それだけ。

 鞄から涙の川へと落ち続ける教科書の滝や、外人嫌いの同国人の話し声、駅の階段のところで響いている耳障りなフランス語や中国語、あの子の笑い声も、それの劣化バージョンも、アイツらの嘲笑、誤解も、クラスメートの涙が砕ける時の音も、産みの母も、泥団子も、昨日、今日、明日、バイラルヒット、踏み切りの音も、僕の心を引き裂くためだけに存在している。だから僕は両の耳を塞ぐ。そうだと知られないような仕方で、素早く。毎日。汚い音から、汚れた心から遠い場所にいたいから。毎日、毎日、毎日僕は僕を塞がなきゃ駄目だ。











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