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端っこマニア
君が、風船を次々と割っていく音。あれは、あの日は、誰も誕生日なんかじゃなかったから。
本当はそうだったかもしれないし、やっぱりそうじゃないかもしれなかった、だから、君は、風船を部屋一杯に用意した。それから全部君の針で終わらせた。やりたくて君がやること、君じしんが必要があると思い、でもそんなの君がやるなんておかしいっていつもいわれてしまうような類いの、それでも君はいつもやってて、そして君のやることはどれもいつも完璧に君らしいこと。
あの時、君が真剣に歌ってたスイートメモリー。
窓の下僕だけが聞いてた。僕はあの時のことを君にも、そして僕じしんにもずっと内緒にするつもりだ。ずっと僕一人だけのものにするために。




