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最終目的地






 逃げ遅れた。

 けれども、ここからは僕の想定していなかったこと。その手は、こちらが楽に起き上がることができるよう助けてくれる手、差し出されて、最初のその位置にぴたり留まり続けている手なのだった。うしろに戻るでも、前に伸び僕に直接触れるでもなく、昼から夜へ、夜から朝へと変わっても。今までの誰よりも僕を待てるとそういっている手だった。

 自覚はなかったものの、これが誰を止めるのかを知る、ただそれだけの旅だったのだと僕は気がついた。そして、誰が僕を止めるのか、どうやるのか。それら全部、この最後の時、僕はちゃんと、ひとつとして逃すことなく、知った。










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