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そこには無数の穴が






 ある女が家の中にもう何も入れたくない、と心の底から思っているじぶんをとうとう認める。馬鹿ばかしい、と瞬時に却下してきた思い。家というのは外から来た何かを中に仕舞って隠してくれるものだ、あたたかいところだ。家というのは守るためのものだ、ただし、悪いものから善いものを守っているのか善いものから悪いものを守っているのか時折区別がついていないけれど、それでも、それでも、それでも、それでも続けなくてはならないのが生活だから。ここが彼女の住む家だから。玄関を開けたかと思えば閉めドアが閉まったかと思えばまた開ける子供が彼女の愛から出たり入ったりする。奇声もセットで上げて。男が静かに彼女の軽蔑に帰宅する。土産のひとつも持たないで。女は幸せそうに笑う。それから女は自身を見下ろす。いつからか穴だらけだ。














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