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グラス






 涙か汗か血か、実際のところわたしは確認したわけじゃないし、口に出せる類いの疑問ではあれはなかった。知れるものなら知りたい、彼や彼女が、どうして一杯のお酒で別人になってしまったのかなんて、こんな思い、わたし一人だけがこの世でずっと抱え続けていればいいのだ。信じられるのは表面張力だけよね、涙か汗か血かわたしにはわからない。彼や彼女の心に注がれたもの、傷や苦しみに満ちたその小部屋を、わたしには見せられなかったからといって、じぶんを責めたりしてはいけないのもわかってる。

 彼や彼女のグラスを持つ手が震えていたことをわたしは覚えている。

 こんな思いはずっと一人で死ぬまで抱え続けて、最期の時にも言葉にすることもなく、一筋の涙でわたしは、ただ終わろう。











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