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私の世にも綺麗な微笑に恋と泥を塗りたくるゲーム
観なければいけない気にさせられるだけの映画を途中退席し飲むそんな漆黒のコーヒーは美味しいか? そう訊かれた際にはちゃんと浮かべている私の世にも綺麗な微笑に恋と泥を塗りたくるゲームはどうか現代ではなく来世のことにしてたい。
私はそこまで考えて、待って、じゃあ今生の世界では誰に話しかけるべき? 私は生きてる間、誰に話しかける? 話しかけられれば話しかけてよくなるのは初期設定、だけどそういうのには懲りた。壁にする? こまどりにする? 思い出に? それとも雨に? でも雨と思い出って私には見分けがよくつかない。
「やだ怖い!!」
「おおきな声ださないで」
リビングのソファで寝っ転がりながら弟が手に持ってるタブレット。覗き込んだそこでは獣が先刻倒したボスの子供を殺して回っている。その様を見た雌は発情する。らしい。
私は瞬間的にとても羨ましくなり、こいつらめっちゃ楽しそうやんけ、っていいそうになったんですけど、踏み止まったからじぶんを褒めてあげたい、よって私は、今から弟の分のアイスクリームを食べようと思う。




