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何もない部屋






 何もない部屋には人は暮らせない。破れたカーテンみたいなハートは許せても、何もない部屋じゃUターン待ったなし。彼に友達がいないのは当たり前だ。何もない部屋だから。汚れるものをどれも彼は嫌い、何もない部屋以外に名づけようがない場所にずっと住んでいる。そこにずっと住み続けている。良い眠り、性的衝動、食への関心、どれも備えていなかったことは紛れもなく彼の才能だ。何もない場所だから、汚れないのは当たり前だ。仕事場での彼は感じがいい。でもそれはロッカールームまでの話。何もない部屋だけが彼を待っているし、待っていてほしいと彼が思うのもいつも何もない部屋だけ。晴れた日に墓場で過ごす時間と非常に似ている時間。花が側で揺れることを彼は許さない。月とすら彼は一切話をしないぐらいなのだ。風に髪を撫でられるのを避ける彼は、隅の石か胎児。

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