どうか私の大きな愛に包まれていて
私はあなたをきつく抱き締める、これがどれほど素晴らしい愛かを伝えるための手段であることと、全く矛盾しない腕の力強さでもってあなたの動きを封じるために。
私はそうと悟られないやり方であなたを拘束し、そうしながら、反対の手ではあなたの二番目の恋人が書いた手紙を燃やす。
するとあなたは驚いていう、この熱は何、多くのものが凍りつく季節の中にあってこんな熱くなれるようなもの、これは一体何なんだろう、今あたたかいのは誰の何、と。
私はあなたに教えてあげる、それは私たちの昨日だと。それをあなたが熱いと感じてくれているだなんて嬉しいと。私は本当に嬉しいのだ。
静かな困惑の中にいるあなたは少し考えてからじぶんも嬉しいと思っているといってくれる、あなたは天使、あなたは稀に見るおばかさん。
二つの身体をものすごい密着の仕方で触れ合わせて、あなたの首を気づかれないように固定させて、今この瞬間もこれから先も、いつもあなたに私が愛を伝えたい、あなたの身体をきつく抱く二つのこの腕の強さをさらに私は増していくつもりだ。たとえそれであなたが苦しむのだとしても、私は私を止められない。
それにあなたは私の前で苦しむべきなのだ。
私はもう大分長いことあなたへのとても大きなこの愛を伝えている、あなたをあらゆるやり方で愛し、そうしながら、あなたの肖像画家であるあの青年のことも絞め殺し、それを突き飛ばし、同じ部屋にはつまり先ほどから死体も転がっていたわけだが度々私の頭はそれを失念してしまう、だから私は状況を思い出すたび、あなたの腰に手をやるとさり気なく誘導して悟らせないようにするという動きをし、そうしながら、あなたの家には私の忠実な犬たちをすでに送り込んでいたので、一時間後の私たちのことも考えなければならない。どうしたらいいんだろう、あなたの泣き方を想像するだけでこの心は千々に乱れる。一時間後、あなたは血を見ることになる。そうしたら、私のベッドであなたはまたこの手で慰められればいい。あなたが苦しむ姿を目に焼きつける、私だけがあなたを理解できるこの世で唯一の人間だ。
今夜、あなたは私だけのもの。
本当に何て夜だろう、あなたの全てが私のものになった日。
あなたのコンセントにプラグが差し込まれること、あなたの額に吐きかけられる唾、あなたの裸エプロン、あなたの笑顔を包む手、そんなこれから先の全て。
あなたの全ては私のもの。
あなたが真実を知る必要は特にないけれど。
幸福と不幸は同時に味わわなければ私たちの人生に何の意味も生まれやしないわ、天使の寝顔にナイフを当てている私の顔は醜いあの三日月だけが知っている。




