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ヒント






 ぼくのことだけを信じた結果、穴に落ちたじぶんを彼はいつか、懐かしい過去として感じる日もあるのだろう、どうやって地上の暮らしに戻ったのだったか、どこの誰が暗い日々には側にいて囁きかけてきたのだったか、言葉にしようとする時に助けになるような記憶はどれも、本当にさっぱりだった、少しも思い出せないどころの話じゃなく、何もかも忘れ去っている人間の常であるが、もうそれについて思い出すこともそもそも彼はなくなっているので。だけどそれは躰の話、心の話ではない、一生消えないものがある。地下鉄の風に揺れる前髪がヒントを摑む、最高の人生に見合う火傷の痕が残るような何かがかつてどこかではあったんだってこと。









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