表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/618

連休明け






 朝の光と電車の中で目をつぶっている。

 やがて揺れがきた、ぎゅっと吊革に強くつかまる。オレは、オレも、自問自答を繰返す。


 繰返すといえば、連休明けに電車に乗っていて、聴こえてくる曲を一つ持っている。




 ある状況にいると、頭の中でそれがループすることがある 。鬼束ちひろ。誰にも似てないとは思うが、特に彼女が書いた曲の感じを好きだとか思ったことはなかった。


 それでもやっぱり、シャツに汚れがつくのと同じに回避困難な歌もあるっていうのは知ってる。


 えんえんと脳内で再生を試みる。歌いだしは、まあ正しく再現できてると思う。問題はサビからだ。

 水の中に行ったみたいに、彼女の声が淀む。

 いつも上手に思い出せない。


「あなたの、うっでぇはぁんこへんはぁんねあああっあ」


 やり直し。


「あなたの、うでぇぇんはんのぇんはっはんせんなははっん、もこもぉぉ」


 もういちど、やり直し。


「あなたの、う、でぇぇがぁこぉへんっがせーなかぁんがぁこほっひはってへん」


 これだ。

 でも後はもう全然だ、いつかちゃんとこの曲の歌詞を最後まで知ろうとも思わない。そういうもんだ。

 いつかどこかで聴いたふるい歌、歌の半分を、休み明けにひとり頭の中だけで再生し聴く。


 九月一日。

 そしてまたオレはやってる。目をつぶって、何も考えない、何も見ない。


 いつの間にか降りないといけない駅に着いてて、はっとかいって、慌てて移動、ということをまたオレはやってる。

 オレはまたやってる。

 回避不可能なものを、どういうわけか、回避しようという動き。なんにも考えてないってのじゃない、たぶん癖ってやつ。どうしようもないものはどうしようもないと、オレだって分かってはいるんだから。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ