表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
399/623

報いを受けた彼女は






「子どもだった頃から読書してばかりだった、大人のために書かれた本も早くから読んでたし。私たぶん読書時間をとり過ぎたその報いを受けてる」



 そうして彼女がいうには、じぶんは世間で扱われているのと同じような恋はできないということ。二次元三次元、美醜、吊橋的なものにも左右されることはない、彼女の石のハート。

 告白を済ませた彼女は生き生きとしている、いつになく、彼にはそうとしか思えない。



 晴れた日の街の片隅にある店の、たっぷりと日差しが入る席に座り、彼らはあまりにも分かり合えなかった。



「おいしいコーヒーだね」

 彼女は店員が通路を通りがかったので、手を上げて立ち止まらせる。メニューを指差し、何か追加注文をとる。

 彼は見つめる、この日の彼女の輝きを。



 過去、ネイル、笑い顔、声、カップを持ち上げる仕種。一つ一つが、彼女を輝かせる、今や全てがなんの意味もない、今日の街、ただ街にただちに吸収されていくだけの美しい部品としての輝きだった。

 そんな美しさに対して、彼は一つの言葉しか持たない、何もかも始めから、出会いから無意味だったんだとしか考えられない。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ