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悪夢にうなされて






 オレの女友達がある晩に、付き合っている青年の部屋に泊まった。深夜二時ごろ、青年のベッドの端で眠っていた彼女は目を覚ました。すぐ隣の人間がうなされていたのだ。

 彼女は仕方なく青年の鼻を二本指でつまみ続けながら、その口を反対の手で塞いだ。奇妙に可愛い叫び声とともに飛び起き、下に落ち、彼女の存在をそこに認め、彼は再び横になる。床の上で。

 彼女は広くなった彼のベッドの上で横になる。

 二人は顔を見合わせないままで少し話をした。



「きっと最悪な夢なんだろうけど、どんな夢みてたの?」

 きみの夢、と彼。



 長い間があった後で彼女は、うなずいてみせた。

 見てきたみたいにイメージできる。彼女は力強くうなずいてみせたことだろう。

「それは本当に悪夢、保証するよ」






 そして恋人たちは、そのことがあった晩以降は、悪夢にうなされている時よりももっと大音量の、非道い現実を目の当たりにして最大音量の、叫び声をその口から上げ続けたのだった。












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