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私たちはみんな小っぽけで哀れでかわいいの






 私は書きたい。私の二十代をいけにえに捧げ召喚されるような詩集が存在していてほしい。その詩集は全て彼の背中や胸に置いた紙に記した詩編だけで構成されているべきだ。

 いつからなのかどれくらいなのかも分からないけど彼と私の二人で、なぜか二人で座っているどこかの砂浜で、都合良くその辺に落ちている棒ぎれによって書かれた詩も入れなきゃ。こっちにおいでよ、あなたたちを入れてあげる、あなたたちはみんな小っぽけで惨めだから私の詩集に収めてしまいたくなる。かわいいみんな。


 

 こんなのは、でも叶わない望み。

 私はこれを、彼との約束の場所まで向かうバスの中で書いた。

 可哀想な私の手帳。

 落ちて天敵に喰われるファーストペンギンよ、他のペンギンたちによって押し出された哀れな一羽のペンギン、彼みたいに、きみは私なんかに喰われてしまうのね。運のないやつだ。だけどとてもかわいい気がするんだよ。



 いつでも沢山ある、私の望み。

 昔からあった望みはどれも、一つとして叶わないまま終わった。いつもの通りに。

 私の人生なんてそんなもの。


      












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