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 彼の指が留める釦。

 彼の羽織るすべてのシャツの釦をやれるよ、彼の指がもう一方にある穴にはめた釦ならその釦であり続けるということ。

 オレのいる場所に彼の焦りはやって来ない、そんな釦でいつまでもいるということ。

 彼にとって望ましくないすべては遠ざけられないけれども、せめて彼の近くにとどまり続けると最初に約束を交わしたものとして。

 彼から最低限のものは落ちてしまわぬように。

 彼が汚れてしまわないように。

 たとえ他の何がここから消え続けようと。

 たとえそこにい続けるのが、彼にとっては別にそれほど意味がある存在ではないと、そうじぶんを嗤うことにいつもなっていることなんだとしても。

 他の何が風との会話を楽しんでいようとも、見向きもせずにそこに残り続けるということ。

 ずっと形を変えないまま、そこに残り続けるということ。

 彼の心臓の近くで。



















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