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あなたが私を軽食堂にした






 間違っていたのは私のほうだった、私とあなた、あなたと、私。



 私とあなたの、虫歯と、ひっこし作業と、ウェザーニュースと、おかわりと、みた夢の話、ヘラヘラ笑いが積み重なれば、かんたんな人間ゆえ私は、あなたに変えられてしまってて、やがてこう思うようになっていたの、あなたが私を軽食堂にしている、と、

 だけど、あなたなら二度としないで、私にこんなことは、と。

 でも、何だってして、と私は我にかえるまでいつも、いつも、いつも、いつも、いつもあなたに向かっていい続けているような私になってる、なってしまう。

 望んでこうなったわけじゃない。全く。

 でもね、あなたが私を軽食堂にした、間違いなく。

 あなただけがこれをやった。

 いつだって気軽そうな様子で。身軽なあなたのままで。



 あなたが私を軽食堂にした。

 そしてあなたのそういう部分を、僅かに嫌いになろうとしてる。今は。

 私の覚悟が足りなかった、あなた以上に強い精神が必要だったんだって思う夜もある。

 そうはいっても私のやるべきことは最初の時点からずっと変わらないままだ。

 あなたと私のことは、私のこと。それを忘れずにいること。つかめない全部を。信じられないでいたものたちを。



 私一人だけを私たちはいつだって悲しませるね、内奥にある真実はこう。



 私がどう感じていたのかをあなたが、私が私を知りたいと思うのと同等かそれ以上に知りたがってくれていれば、あの日は冷たい雨じゃなかった。

 冷たい雨じゃなかったわ、雨の中をこっちまであなたが来てくれていたら。

 冷たい雨なんかじゃなかった、あの時の全てきっと。













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