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そのひとことが
手を繋げた、だからもういい。
態度ではそう見せた。
それは本音でもあった、本心からの笑いでもあったのだけど。
足もあるよ。
あの時、あの場で、咄嗟にそういって笑い続けてみせるような僕だったならよかった。
今はそう考えてる。今はそんなふうに感じるじぶんを切り捨てられない。
それで何かが変わるとか、どうせ何ひとつ変わらないだとか、そんなことはいい。
今でもつい想像してしまうだけなんだ。でもここにしっかりとそれがあるんだ。
そしてそれだけのことといわなきゃならないんだよ、常に単純な事実があるだけと。




