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性善説





 お魚を逃がす兄を逃がす、誰しもが。

 経緯はともかくとして、最後の時にはそうしてしまう。誰もがそうしてきた。



 誰もが、と強く思った瞬間、彼のなかに光るものがあった。

 ひょっとしていざその時が来てしまえば、じぶんだって、兄のことを逃がそうとするのじゃないだろうか?



 その見誤りにすら気づかず、じぶんとしては当然の流れでそれを進めているとしても、兄を逃がすことに結果なっている、というような事態。

 または、土壇場になってもそうなることを心から望んでいるわけでもない、そんな望みを持つじぶんなんて今まで想像だにしていなかった、だがあるポイントを過ぎてそれを望んでいるのと殆ど変わりがないじぶんとしてそこにいる、なぜならそれ以外に最善の手はないのだろうと思えるので、というような。



 彼は彼が傾きかけているのを感じる。

 もう考えるのはやめ、と彼は声に出していう。












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