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塩
敵に塩を送る。送り続ける。やけに良い塩を。輝きを放って見える綺麗なとしかいいようのない塩を。送るのはそんな塩。塩を敵に。敵に送る塩があり、そして塩を送る。毎夕。いつも心を占拠しているのはそのこと。敵に送る塩そればかり考えていて頭から離れてくれない。だから送り続ける。塩を。いやいやではなく。だから考え続ける。敵である相手のことを。震えながら。常に敵のことを考えている。じぶんには敵がいるということ。考えるのはそのことばかり。ずっと塩のことばかり。
そしてパンクする、やっていたのは最初から続けられるはずもないことだったから。そうとしかもういいようがない。
そしてやっぱりパンクする、敵の側のホームも。送ったから。誰かが送り続けたから。それはいつも、誰かが敵に送るような塩だったから。




