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腐葉土
母親たちのようにはなってはならないと、かつて誰かが、どこかの町で、どこかの夜の中で、確かにいった。
全くその通りだと、その時その場で僕はいっただろうか、しっかりと前を向いて、正しい仕方で頷き続けながら?
でも、あれからいくつも通過してきた僕はいったいいつまで、色んな腐葉土の上にいる人たちだったり、屈したりした人たちに向かって、同じことをいうつもりでいるんだろうか、本当にずっとそうしていけるつもりでいるのだろうか、僕は? なにに、本当のところこんなにも憎しみを燃やしているんだろうか、僕は? 本心なんかずっとずっと知らないことにしたって、それが本心なんだろうか、僕は?




