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幽霊たち






 あなたがここにくる前にそこのベンチには小学生の二人組がいたんです。

 目と耳どちらを失くすのがいいのか話し合って今この場で決めようとしているっていう、少年二人が。



 失うのが特に怖いものを失わなくてはならないとしたら、どれを失うことを彼らはましだと考えていて、それはつまり最後まで彼らが失うわけにいかないと考えているのが何なのかっていう、そういうこと。

 僕も同様に、あの少年たちと同じ時分にそいつを考えたものでした、彼らの場合とは違って孤独な男の子でしたけれどね。



 あの少年たちはもう、列車に乗って目的地へと行ってしまいました。もっとあの二人組を見つめていたかったです。だけどそういう場所ですからね、小さな駅というところは。



 揃って帽子を被り重たそうな荷物をしょったあの少年たち、二人がどういう二人組なのかは、家出少年たちだったのか、年子の兄弟なのか親戚なのか、それとも仲の好い友人なのかもっとややこしい間柄なのかは分かりませんでした。

 黄色い線の内側に立って、男の子たちは少し手を繋ぎ、それから列車に乗りどこかに行ってしまいました。








 ええそうですね、午後になればすぐに雨雲が来ます。

 雨が来ます、泣き声を包んで隠すくらいに降る雨が。














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