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作家たち
彼らが好んで読む作家たちと彼女たちが思っている作家たちは、彼らが好んで読む作家たちである点は間違いないのだが、全然人数が足りていない。彼女たちが好んで読む作家たちと彼らが思っている作家たちは、その人数は彼女たちが好んで読む作家たちといつも合っているのだが、大体名前が間違っている。彼女たちにそうといえない本が彼らのごちゃごちゃとした部屋のどこかにあり、彼らに興味を持たれたくないかあるいは興味を持たないからそもそも彼らの目に映らない本が彼女たちの美しい部屋のどこかにある。作家たちは、女と男の関係によっては同じ家にいることも、同じ本棚にみな集まって肩をぶつけ合いながらいることさえあったが、それでも動きがあるのは稀にしかないことだった。




