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少年の声






 ぜんぶ捨てといて、と少年の姉さんは少年にいった。

 こっち向かないでほしい、と少年の好きな少年は少年にいった。

 おはしとスプン、と勘定台のところの女のひとは少年にいった。

 どこにもすわらないでちょうだい、と少年の母さんは少年にいった。

 俺の視界からちゃんとでてろお前は、と少年の父さんは少年にいった。





「たんにキミの正解が消える世界では、正しい間違いばかり、どこにでも転がっているの」

 少年のとなりで犬の後ろ耳がそういった。水曜日がもう終わるのが怖いんなら、たんにどれも消せないでいてよ。この屋根裏部屋は狭いし飽きたぜ。ほら、おいらの見ごたえあるあくびを見ていて。そう長くはかかんないからさ!











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