表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
216/618






 素敵に逃げていきながら彼らは、覚えてろよと怖い顔でぼくに向かって叫んだので、ぼくはちゃんと覚えていようと思い、爪をじぶんの腕の内側に食い込ませ、傷つけておく。

 ところで、反対の側に立ちさっきから何ごとかをこちらに向かって喋りかけている人は、一匹狼ふうのヒーローで、ぼくに覚えてろよとはいわない。

 肩をポンポンと叩く、大きな男の人の、大きな手。やっとぼくは動く。ポジションを少しずらして、その手を肩から退かせる。

 先ほどは、危ないところだった。間に合ってよかった、ほんとうによかった。その人は優しく語りかけていて、ぼくの身を案じていて、ぼくは一切言葉を発しないままでいて、そしてぼくのほうからこの場を立ち去る、今ここは雨だから。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ