表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/618

冒頭の容疑者






 冒頭の容疑者が忘れ去られ、皿も全て片付け終わり、明かりが消え、新進気鋭のあとを追わないといけない人々がどやどやと移動していく。


 このおれの頭でさえも思い出せなくなってた、冒頭の容疑者がどこの誰なのか、どんなストーリーを背負って現れたのか。

 だから、せめてここに残ってテーブル下に隠れているおれ。帰りが遅くなりますと、連絡をうちに入れている隙に、また一つ、手がかりは失われている。


 おれはくっそぉおおおおおおおお、とさけびながら床に頭を擦りつけていた、火がつく。


 冒頭の容疑者の、最後の一本に、火がつけられ、彼の顔を見るそれが最後のチャンスだったのだけどどうやらそれさえおれは見逃した。

 謝ることも、手を伸ばすことも許されない気配。


「おれあなたにワッフ、ウェッヘッ」


 煙を顔に吹きかけられて、咳き込んでいたら、それで終わり。

 おれはひとりぼっちだ、ここでおれは何者でもなく、欲しいものの名前まで失って、へたり込んだままでいる。

 そうして誰かの何かが消えていく。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ