表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/618

ミス






 彼女は同意を示す、そして彼女は湿っている、彼女はいつでも湿っている。

 そこでの彼女は間違いなく彼女ではない誰かになるのだが、それなら彼女とは一体何で、誰のことをいうのか。容易く他者を許容しようとする場所であるこの女。

 しかしまた彼女じしんも、許容するじぶんが自分でないような感覚に陥っているということ、繰返すということ。



 彼女はいつも、気づいていながらこれをやる。

 可能性としてはこういうことだろうか、そこでの彼女はうまく物を考えられなくなるし、彼女じしんがもう彼女であるということには耐えられないと予測がついているからこそ、咄嗟にそこで遮断している、彼女に起こることは、大部分は、そうなる前から彼女にも感じられているからこそ、彼女はもしかしたらすぐに、傍目には簡単に、それに同意してしまうのだ、と。

 本当にそうなのだとしたら、ずっと目を閉じたまま手を動かすことが、最悪の場合は両手とも捕まってしまうことこそが実は最善の道だとさえ彼女は捉えている、こういうことになってくる。

 どこにも辿り着かない状態に向かうことが、どこにも目印を見つけないままに進み続けた、悲しいまでに愚かな彼女であることが。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ