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在処
その場所に囚人一号と三号がいた。囚人二号も以前はいたが、一号と三号の二人が彼を殺した。
けれども、そもそも彼ら自身の考えのほうが間違いだった、そこでの彼らは囚人などではなかったし、今も彼らに見えている鎖すら一度として存在していたことはなかった。彼ら囚人たちを常に監視し続けている視線と捉えているものも、恐らくは鳥か鼠が辺りをうろついているに過ぎないのだったし、彼らを収容するその檻にも鍵はついてなどいなかった。
それでもやはり、囚人一号と三号はそこでしか生を繋いでいくことはできなかった。




