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延命
彼がくじ入りの箱に手をつっこんだままにしてから長い年月が過ぎた。
周囲の全てが風化し、国は様変わりし、旅人たちの姿すら見なくなって久しく、遠くの星たちは輝きをうしなった。
それでも彼はおなじ場に立ち続けた、箱の中に手を入れたままの状態を依然として保って。
そして、そもそもの最初、彼にくじ入りの箱を差し出した、何かに属す誰かだった、僕もまたここにずっと立ち続けている。
彼と向かい合わせのままで長い時を過ごし、分かろうとする努力を続けている。
彼がくじ入りの箱に手をつっこんだままにしてから長い年月が過ぎた。
周囲の全てが風化し、国は様変わりし、旅人たちの姿すら見なくなって久しく、遠くの星たちは輝きをうしなった。
それでも彼はおなじ場に立ち続けた、箱の中に手を入れたままの状態を依然として保って。
そして、そもそもの最初、彼にくじ入りの箱を差し出した、何かに属す誰かだった、僕もまたここにずっと立ち続けている。
彼と向かい合わせのままで長い時を過ごし、分かろうとする努力を続けている。
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