ランズ
誰にも似てないトカゲがいて誰にも似てないことを喜んでいた、普段笑んでいるだけの虹までもが彼を見下ろせば途端に目つきを変えノーマルモードで事は悪化していき咲かないようにと顔を上げないようにと彼を多少なり知っている者たちからは彼は思われており敢えて遠くの部屋まで歩かされたりもしていたなのに一緒に歩きませんかといわれたことも一度もないそんなふうにして彼は彼のままでクランベリージュースもピアスも意味がなくなっていくし町で評判になるようなことは決してないまましかしこの小さな町の小さな男たちの目の前に優しく出現し続けているきつねうどんそんなような彼だった彼はしぶとく戦った、歌う給食袋歌いだす金属探知機歌う嘘つきから逃れたとして時計の針が心を待ちぶせ心臓近くには十五の夜の句読点だが尚もグッドラックっていわれたいし善くないことをしますの体それと差出人不明ですの指切りを千切れますと笑えば落第し先導者をこの場におねがいという連絡事項は秒で忘れさった人々からずっと何者でもないようにと愚かな男子であるようにと願われ続けたその肌ただ素早くてただ素晴らしくて全てがあり片隅や色々もあり色々な頭を見た叩こうとは彼は考えない夏男子学生たちが持ちうる色々が素早さを増しているなか彼の人生は他の色々みたいには撫でる甲斐も共通項目も見つけられたりはしていないその脇を花束が、花束が横切っていく、横切っていくだけが適切なスピードっていうんだろうかと訝る彼は首を傾げ実は折られておりその一方織り込む人たちとはただ素早く頼ったり素早く頼られることなく来た、そして行く、彼にとり花よりも団子よりも落としていいだけだったのはこれらのものだ見上げること冷水曜日シャワー不義理楕円理想をえがくかたい片田舎色褪せぬ早寝早起きという言葉彼は要するに見つけたかったそれを見つめるということも無意味と化したらもう行き場のないこれは埃の積もるばかりの場所、旋風を知った。畳みにくいアヒルの子を今日引退しますと男子たちが騒いでいた朝の電車と初めてこの世界で見たお姫様の輝きに心を打たれその場で弓矢で殺してしまった男の話今なら分かると話し合う男子たちに降り注いでいたずるをした歌。思い返さない、思い返さないよ、とある種の少年たちは地球を向いて地球にだけいうもの。思い返さない思い返さないよこういう換気なのだもはや明日には忘れている紫陽花のたぐい儚いことを愛せない全然そういっていた彼らの書いた卒業文集そんなものを横目にトカゲは、とてもスロウで、靴下の、色を見おろすぐらいにしか、見ず知らずの人も、自身の感情も、知れない、割れて初めて分かるようなことだとして。
誰ももうきょうしつには残ってはいなくてじぶんで自分を踏んで、かもね、と彼は彼じしんのコメントに声に出して返答した、それは、彼のこんがらがっていると同級生たちの間でも評判のセンス。




