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純情






「お前からして」


 大好きな彼にお願いされ、うっとりとして目を閉じわたしのほうから顔を近づける。そんなキスも二人には嬉しい。


 離れてから、いつも決まって彼が次にとる動作が、にっこりした顔のままでハンカチを取り出すことだっていうのも好き、その速度が好き。

 綺麗好きなわたしの彼氏くん。


 全部拭いてください、わたしの簡単なところ、わたしの、温泉街に行きたいと思ってしまう浅ましさを。拭いて。

 でもいつか君と二人きりで行けたらいいのにな、温泉街。










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