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素敵な縮小






 好きな男子の好きな男子に好きな女子がいるのはいいのだ、本当のことをいったら当然全く何にもよくないと思っているけれど、今のじぶんじゃどうにもならないことはよしとしなくちゃいけない、だからもう、別に、いい、好きな男子の、好きな男子に、ほかに好きな相手がいる、隣町にいる、と野口コナミは何度もじぶんにいう、朝も夕も、同じその文を何度もいう、何度も何度も何度もじぶんに向かっていう、あたしの好きな男子には好きな男子がいてその男子にもほかに好きなひとがいて、ただわからないのは、素敵な男の子って、もしかしたら、そう、決してじぶんにとっての味方だということはできないのじゃないか? だけどこれって改めて考えてみると、どうして今まで敵味方の区別を一切しようとせずにいたのかもちょっと謎だ。今だからこんな見方なのかもだけど、それって呑気だ。



 野口には、今のこの状況を考えれば考えるほどにこう思えてきている。

 全員敵なのかもしれない、と。



 恋におちたら素敵に縮小していくじぶんがいた、そのことに全く気がつきもせず、日々を過ごしていたじぶんはやたら呑気だった。今はとてつもなく悲しい気持で、だから野口は思う、こんな素敵な縮小があるなんて、知らないでいたほうがよかった? それでもやっぱり知れてよかったとする?

 もうよくわかんない、と野口は机の上に突っ伏した。













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