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バナナの皮
倒れていた僕につまずいて見違えちゃって見失って気付いて目を見ひらいて思い出に変えて噛まれてしまってガオっちゃって割り切れない気持ちになって冷却保存して刺されて自信なくして空の青さ知って透けて黙り込んでおめかししてバナナの皮は老いて人見知りを覚えて早速人見知りをして損なわれて一番星をさがして疚しくなって涙目になって鳴き声を上げて勝手に勝って勝手に負けて食パンを出し試聴しハイタッチをしてようやくの瞬きをして町で一番綺麗になって、みんなの期待の星である我が妹よ。
バナナの皮は、そこで老いている、いつからかそこにあるバナナの皮はそこでいい、そこでいいのだ。




