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残念賞と残酷でしょう






 卒業アルバムを女の子が見せたがる。

 こちらとしては気乗りがしない、多少わざとらしくゆっくりと眺めていることにする。


 するとキッチンでお茶を入れていた女の子は飛んできて急に取り上げ、そいつを吸収すべく体を折り曲げ、床に長い髪を触れさせて、炎症を起こし、声にならないその悲鳴、午後の明るい部屋、こっちは普通に見る振りをしていただけだっていうのに、黒々。


 立ったまま眠る、横になってはいけないムードだったから。

 遥か昔に失われているカップのその取っ手。この右手は、それだけをいつでも持ってて、だいじなものみたいに離さないままでいた、こんなじぶんを、棚に上げている、と気づき、だが今日も、それとこれとは、という思いが勝つ。


 依然として彼女は同じポーズを選択していた。そっと、彼女の人生から退場することにする。










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