表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残酷な俺の仕事  作者: 今晩葉ミチル
ゲベート王城
11/91

10.何者

 スバルは一つだけ合点した事があった。

 シュネーがペンダントを奪われなかった理由だ。

 宝石をいただく銀の鎖の首飾りと言えば、高価だろう。うまくいけば目の飛び出るような値段で売れる。それにも関わらず、狼男達がペンダントを奪わなかったのは、奴隷にされた元王女の婚約者と言われたくなかったからだろう。


 スバルも妙な縁ができるのを避けたい。


「落ち着け、シュネー王女。俺がそんな意味で貸してほしいと言ったと思うか? ペンダントを壊したし、婚約は無効だろ?」

「ペンダントがなかったら狼男を撃退できなかったでしょ。だいたいあなたが壊したのだから、あなたが直す義務がある。責任取って」

 シュネーがずいっとスバルに詰め寄る。ペンダントを壊したのは間違いなくスバルであるし、責任を逃れる事は困難だ。

 シュネーの首飾りは細かな細工が施されていて、修理は至難の業だ。並の細工師では音を上げるだろう。

 だが、スバルには直せる人物に心あたりがあった。やたら滅多に会わせたくないものの、非常事態だ。

「わーった。ペンダントは知り合いに直させる。どんな人間でも文句は言うなよ。婚約の話はまた今度だ」

「……分かった」


 シュネーの猫耳が心なしか折りたたまれていた。落ち込んでいるようにも見えるが、スバルにはその理由が分からなかった。 

 

 目的地は堅牢な防壁の内側にある。防壁の内側に入るには、南にある唯一の門を通らなければならない。そこでは常に番人が目を光らせている。

 シュネーには猫耳が隠れる程度にフードをかぶらせる。顔まですっぽり覆うとかえって怪しまれるからだ。

 スバルとシュネーが門の前に行くと、鎧に身を包んだ屈強な男が話しかけてくる。

「名乗れ」

「お仕事お疲れさん。いい加減に顔を覚えてくれないか?」

 門番が厳かに命令しているのを、スバルは軽口で応じていた。

 しかし、門番は紋切型に言ってくる。

「名乗れ」


 スバルは溜め息を吐く。


「めんどくさい奴だ。ゲベート王国第四王位継承者ギルバート配下王族直下特殊部隊スバルとその連れだ。これでいいか?」

「通れ」

 門番はそっけなく通行の許可を出した。

 シュネーが顔色を変える。

「あなた何者!? ギルバート王子の部下って」

「あんまり何度も言わせないでくれ。めんどくさいから。ペンダントを直すのが大事だろ? さっさと行くぜ」

 スバルが歩くと、シュネーは青ざめながらついてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ