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極彩タップス  作者: 夜助
18/19

返済その18「生きることが好きさ!青く光るコスモー!!」

 5時間経っても、金本は注文を言わなかった。

 そのため、とうとう、青木の思考回路にスイッチが入った。某ノート漫画みたく、彼は金本が注文しない理由を事細やかに考えた。

(彼は、何故に、注文をしない?最初、腹が減ってなかったとしても、五時間経てば、腹が減るはずだ…)

 青木は、金本の表情を見た。彼の顔は、なにかを我慢している顔だ。そして、腹の音がなっている。

(否!減っているのでない、減っていたのか?この切ない表情!?じゃあ、何故、注文を言わないのだ!!)

 青木の独り相撲が始まる。一気に、有希が背景と化した。

(何故、言わない…。好きなメニューがないのか?いや、人間だれしも、腹が減れば、空腹を満たすことを優先するはずだ。適当に、とりあえずは、無難なのを注文するはず!というより、この店のメニューは意外に多い、ジャンルも広い。だから、嫌いなメニューがあるのか?というか…、好き嫌いなら、頼んだメニューに入ってたとしても、嫌いな食べ物を残せばいいはずだ。彼だって、それが解るはずだ…)

 青木は周囲が見えなくなるほど、自分の世界に入り込んだ。

(何故、注文しない!?メニューに、目を通してるじゃないか!なら、何故、頼まない…。何故…)

 すると、ある考えが青木の頭に浮かんだ。

(まさか…)

 金本は、メニュー表を見ながら、切ない顔をしていた。なにかを言いたいのに、言えない辛い表情。だが、それが青木の浮かんだ考えを確信に変えた。

「そうか…、わかったよ…」

 青木は、金本の肩に手を優しく当てた。

「ん…?」

 金本は、青木のなにかを悟った表情に目をやった。

 青木の目は、あまりにも綺麗な深い青の色に染まっていた。すべてを悟り切った優しい瞳だった。

(えっ…、なんて優しい目をしてる奴だ…)

 思わず、金本は男であるのに、胸がキュン!となった。

 そして、青木、金本の二人は無言で見つめ合う。

 そんな異質な二人の光景に、有希も胸がキュン!とした。

「なんだ、この同性の壁を越えた美しい光景は!?畜生、俺もあの輪に入りたいぜ!」

 青木、金本のイケメン二人から放たれるオーラに、有希は大興奮した。

 そして、青木は静かに口を開く…。

「わかったよ…。君が、注文をしない理由が…」

「えっ…」

「君は注文をしたいのに、出来なかったんだ…」

 そう青木が言うと、有希は…。

「なんだってぇぇえええーーーー!!!!一体、どういう事だ!キバや…、青木さん!!」

 何故か、有希はノリノリでリアクションをした。どうやら、有希は青木と居るとテーションが上がるらしい。

「君は…、注文をしたいのにしないのは…。なにを頼めばいいのか解らなかった…。つまり、この店のメニューが解らなかった…。何故なら…」

 青木は、眼鏡を上げた。

 そして…。


「君は、メニュー表の難しい漢字が読めない、お『バカ』さん、だからだ!だから、なにがあるのか解らなかったんだ!!」


 と、青木が事の真実を話した瞬間…、悲劇が始まった。



 その時の状況を、福梨有希(17)は語る…。

「はい。青木さんの回答は正解でした…。確かに、彼は漢字が読めなかったのです…」

「はい…。正しかったんですが、使った言葉が悪かったんです…。なんで、青木さん…、知らなかったとは言え、『バカ』って言っちゃったのかな…」

「本当に、青木さんはカッコ良くて、頭良くって、金持ちで…」

「でも、なんでしょう…。彼は知らずに、知らずに、不幸な目に遭うんです…」

「だから、『バカ』と言われた時の金本君は、やはり、クロックアップしました…」

「そして、金本君は…」



 その夜、色彩園の天井に大きな穴が開いた。

 そして、青木の悲鳴が聞こえ、辺り一面に響いた。

「師範代が言っていた…」

 と、金本は天井に開いた穴に指を差し、こう言った。

「『バカと言う奴が、一番、バカだと…』」

 本当に、その通りだったから、有希は苦笑いをした…。

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