返済その17「絶対、自分だけが、この時代を変えて行ける」
前回までの話。
「私の名は…。天の道を往き…、総てを司る男…。金本銀二だ!」
と、また変なのが、有希の前に出現した。
貧乏神の赤井、なんかイヤミな青木と違って、本当の意味での危ないタイプが現れた。しかも、質が悪いことに、異常に戦闘能力が高く、下手に逆鱗に触れると、クロックアップ(超高速移動)する最強の少年だ。
果たして、多重の危ない人達に囲まれた有希の運命は…。
そして、たまに週刊誌が土曜日発売される理由とは…?
「どうやら、解ったようだな…。『バカ』と言っていいのは、投げられる覚悟のある者だけだと…」
と何故か、今更、ぶん投げて行方を暗ませた不良達に向けて金本が言った。
そんな彼に、有希は近づく。一応、礼を言うつもりのようだ。
「あっ、金本君だっけ…。助けてくれて、ありがとう…」
半ば恐れつつ、有希は彼に礼を言った。
それを聞いた金本は…。
「気にするな…。私の師範代が言っていた…、『人を助けると、お礼で金とか、もらえるから、進んで人助けしなさい』と…」
その言葉を聞いて、随分、不純な動機だな…、と有希はツッコみたかったが、彼が怖かったので、やめておいた。
「それにしても、腹が減ったな…」
と、金本は自分の腹を抑えた。これは、遠回しに『飯おごれ』という意味であるのを、有希はすぐ感づいた。
というわけで、彼を色彩園に有希は連れてきた。
店の中では、店主が下ごしらえをし、紅美は、青木と共に準備をしていた。
だが、いつものように、赤井が居ないのが、有希は気になった。
「あれ?赤井さんは?」
と、有希は紅美に聞くと…。
「なんか、ここ最近、出番多かったから、青木さんのキャラが立たないので、しばらくは割愛だって…」
何故か、作者の事情に、詳しい紅美はそう答えた。だからか、店主が、なんか嬉しそうだ…。
「あれ?彼、有希君の友達かい?」
と、キャラの使い方が難しい青木が、有希が連れてきた金本に気付いた。
金本は、悠々と席に座り込んだ。そして、店内に貼られているメニューの品々に目を通していた。
「あっ、はい。さっき、彼に危ないところを、助けられて…」
と、有希は答えた。
「へぇ、名前は…」
青木は準備をやめ、注文を聞くため、金本に近付き、名前を聞いた。
すると…、金本は青木の方に顔を向け…。
「私の名は…、天の道を…」
「金本銀二君だよ…」
自己紹介途中の金本に割り込むように、有希は彼の名前を教えた。割り込んだ理由は、さすがに版権やら、著作権やらが怖くなってきたからだ。割り込みされた金本は、有希を睨んだ。
「で、ご注文は?」
と、青木が金本に聞いた。
「…」
さっきまで、メニュー表を眺めていた彼だが、注文を聞かれた瞬間、口が開かなくなった。
「?」
聞こえなかったのかと思い、青木は、もう一度聞いた。
「ご注文は、なんです?」
「…」
もう一度聞いても、口を開かない。
それに対して、有希は…。
「あっ、お金なら気にしないで、助けてもらったお礼だから、好きなの注文しなよ」
と、そうフォローするが、金本は注文を言わなかった。
とりあえず、注文を言うまで待ってみることにした。
1時間後…。
まだ、なにも注文を言わない…。
その間は暇なので、有希と青木は適当な話題で話し始めた…(読み飛ばし可)
「青木さん…、好きな仮面ライダーは…?」
「ファイズ…」
「青木さん…、好きなガンダムは…?」
「ウィング…」
2時間後…。
やはり、なにも言わない…。
「実は、僕、みんなは嫌い言ってるけど、本当は龍騎が好きなんです…」
「確かに、最終回前には驚いたさ…」
3時間後…。
やっぱり、言わない…。
「女の子の体が柔らかいって、本当ですか…」
「下ネタは、やめなよ…」
4時間後…。
金本は、黙り込んだままだ…。
「僕、女の子と喋った事ないんです…」
「…」
とうとう、二人の話題も尽きた…。そして、有希の脳裏に嫌な予感がしてきた…。
まさか、このまま、次回に続くのか?こんなキャラの立っていない青木、金本を相手に、次回まで待たなければならないのか!?
ていうか、こんなに展開を引っ張るのは、まさか、ネタギレなのか!?
そんなはずはない!
そんなはず…。
ああ、だんだん文が適当になってきたぞ!
畜生、金本め…。いろんな意味で、クロックアップしやがった!
と、有希は思った。
残念ながら、次回に続く…。




