返済その13「暴力は良くない!と言った、キレやすいニュータイプ」
現在、福梨有希(16)を悩ます者リスト。
一人目、赤井秀人(27)。職業は、借金取り。長所なし。短所、知らず知らずに人を不幸にする。
二人目、青木龍聖(21)。職業、飲食業。短所、知らず知らずに不幸になっていく。長所、イタリア料理と、不幸な現実を受け流すのが上手い。金持ちで、イケメン。
果たして、彼等以上に、彼を悩ます者は現れるのだろうか。
ある日、有希が頼まれた買い物を終えて、色彩園の店前まで来ていると…。青いカラーのフェアレディZ(初代)が、店の駐車場に駐車されていた。
これには、車好きの有希は興奮した。
「すげー!!ヤンマガで、お馴染みの『悪魔のZ』だ!!すげー!!誰んだー!!」
かなり綺麗な状態で、凝ったセッティングがされているフェアレディに、有希は大興奮。
「僕のだよ…」
と、有希の背中から柔らかな男の声が聞こえた。その声に、有希が振り向くと、そこには青木が居た。
本日から、色彩園で働くことになった彼は、勤めていたイタリアンレストラン『イスルギ』を辞め、自宅の高級マンションから車で、ここまで通うことにしていた。
明らかに、色彩園よりイスルギの方が給料が良いのだが、なにかを勘違いした彼は、色彩園に勤めることに。ちなみに、あみだくじの事実と、イカスミの真実を、未だ知らないで居る。むしろ、知らない方が幸せである。
彼が、紅美の接客に感動したのは解るが、紅美に対して恋愛感情があるのかは、有希は解らなかった。
「隣、乗ってみる?」
と、青木はクールに車に誘う。
「まじっすか!」
有希は、鼻水を吹き出すくらいに興奮して喜んだ。
青いフェアレディは、二人を乗せ、首都高速を駆け抜けていた。
青木の青いフェアレディは、古い型であるのに、新型に負けない加速とスピードを放ち、次々と、首都高速道路を走る、走り屋たちのランエボ、インプレッサ、テスタロッサなどを越していく。
青木は、料理だけではなく、自動車工学についても詳しく、ドライビングテクニックも完璧だった。
「すげー!!すげよー!青木さん!!」
と、赤井と居る時とは逆なくらい有希は、ハシャイだ。
「はは、大したことないよ、これくらい」
格好良く青木は、言い放つ。その青木に、有希はもうメロメロだった。
そして、同時に、有希の脳裏に、こないだの出来事が思い出される。
昨日…。
「有希じゃねぇか」
と、街中を歩いていた有希の後ろから、半帽ヘルメットを被った赤井が、赤いカラーリングのゼファー1100に乗って現れた。
オタクの有希は、やはり、赤井の乗るゼファーにも興奮していた。
「ケツに、乗ってみるか?」
と、赤井に言われ、迷う事無く有希は、ゼファーのタンデムにまたがった。思えば、これが不幸の始まりだった。
「で、どーなったの?」
と、青木が有希の話に相づちを打った。有希は、悲しそうな顔をして…。
「乗ってる途中、赤井さんが飛ばしまくるから、振り落とされました…」
有希は、涙ながらに語った。青木は、苦い顔をした。
「川越街道をバカみたいに飛ばすから、振り落とされて、地面に叩きつけられて、最悪ですよ!!しかも、あの人、僕が振り落とされてんの、家に帰るまで、気付かないで居たんですよ!あいつ、人間じゃないですよ!!」
と、有希は、感情を爆発させて話す。
青木は、昨日、振り落とされて地面に叩きつけられたのに、骨も折れてないどころか、傷一つ負ってない有希の回復力の方が、人間じゃないと思っていた。
次回予告。
「ぎゃああああああ!!!!」
赤井は、どうやっても止めることが出来なかった。
「…」
顔がその名の通り、青く染まっていく青木…。
「なんで、そう簡単に無意識に人を傷つけるんだよ!!!」
有希は、大きな涙を浮かべ叫び狂った。有希は、残骸となったフェアレディZのヘッドライトを抱くしか出来なかった。
次回、機動戦士フェアレディZ。
『フェアレディZが、どっかのバカのせいで大破する』。
君は、刻の涙を見る…。
次回のサブタイトルと、内容は、次回予告通りにならない場合があります。




