返済その11「君は見たか?愛が真っ赤に、燃えるのをー」
前回までの話。
赤井秀人は、幼少から貧しい暮らしだったため、パスタの種類を、ミートソースとナポリタンしか知らなかった。しかも、ナポリタンは、本場ナポリのパスタだと勘違いしていた(ナポリタンは、日本で出来ました)
そのため、イカスミソースのパスタを、墨汁ぶっかけパスタと、罰ゲーム等で食べさせる物だと思っていたが故に、イケメン店員、青木龍聖に、あらぬ事を言って去ってしまった。
さすがの赤井も、罪悪感で一杯。果たして、赤井は青木に謝罪できるのか?
そして、吉○家がラーメン業界に進出したわけとは!?
本日の営業が終わった青木は、夜空の街を、ふらふらと歩く。
「はぁ…」
と、一息ため息を吐く。かなり落ち込んでいる様子だった。理由は、今日、赤井に言われた一言だった。
(『マニュアル通りで、中身のない接客』か…)
その言葉が、彼の胸に突き刺さっていた。
青木龍聖、21歳は、イタリアからの帰国子女であり、彼の夢は料理人になることであった。そのため、イタリア料理界の雄、『浦太郎』の元、料理修業に努めていた。その努力もあって、青木のイタリア料理の腕前は、プロ並で絶賛の嵐であった。
そして、浦太郎が新しい店『イスルギ』を出店する際には、彼がメインのシェフになるはずであった。
が、浦太郎は、青木の腕前を知りながら、彼をホールの接客に回したのだった。
この配慮に、青木は浦太郎に不満の声を上げた。
「何故、僕がキッチンではなく、ホールなのですか!」
その声に、浦太郎は…。
「君の腕は知っている…。だが、君には接客を知る必要がある…。だから、あえて、ホールに回した」
と、言い放った。
しかし、それでも、青木は納得することが出来なかった。だが、仕方なく、浦太郎の言うとおり、彼はホールに就いた。
(なんで、僕がホールなんだよ…)
と、彼は浦太郎の真意が解らなかった。
ちなみに、浦太郎の真意は、ホールの人出が足りなかったから、あみだくじで、人の足りてるキッチンからホールに回す人を決めたら、青木に決まったとのことだ。
天才肌の青木は、マニュアル通りに接客をこなし、容姿の良さから客を魅了してきた。だが、彼は満たされない気持ちでいた。
そんな気持ちでいた今日、赤井から、あの言葉を言われたのであった。
そんなことを考えながら、彼は腹が減ったので、通りかかった定食屋で食事を済ますことにした。
「いらっしゃいませー」
と、女性の声が彼を迎えた。
青木が入ったのは、色彩園だった。




