父と娘
♪
ある平凡な家庭の食卓での会話・・・
「恵美よ。最近どうだ?。」
「どうって言われても、まぁ、普通に生活してるわよ。」
「その、なんだ・・・、人間として、正しい行いをしているのか?」
「お父さん・・・うちの恵美に限って、悪い事とは無縁ですわよ。」
「いきなり、なによ・・・人様に後ろ指さされるようなことはないわよ・・・」
「そうか!うんうん・・・お父さんはお前を信じているよ。恵美は、良い子だ!」
「でも・・・恵美ちゃん・・・今日は、お父さんに何か言うことがあるんじゃないの?」
「なに? 恵美! 何をしたんだ! 言ってみろ」
「・・・そんな・・・たいした事じゃないわよ・・・ただちょっと・・・」
「言うんだ!恵美!何なんだ!?」
「あのね・・・とても言いにくい事なんだけどね・・・お父さん、怒らないで聞いてね・・・」
「うむ。正直に言ってみろ。」
「こないだお父さんの会社の社長さんの息子とお見合いしたでしょ・・・あの方との縁談をお断りしたいの・・・。」
「なぜだ? あの男と結婚すれば、お前はいつかは社長夫人だ!幸せに・・・」
「ちがうの・・・とてもとても良い人なのは分るの・・・でも、あの方は、まだ28歳なのに・・・女性関係が・・・」
「なに??遊び人だというのか??」
「ええ・・・まだ28歳なのにもう女性経験が2人もあるって・・・恵美・・・耐えられない・・・」
「あぁ、恵美よ、お前はなんて良い子なんだ!」
「お断りしたい理由は、それだけじゃないの・・・」
「なに?まだあるのか?言ってみろ!」
「あの方・・・来年には、ニューヨークの支社長の就任が決まっていて、恵美をニューヨークに連れて行くって・・・」
「なんだ?それはいいことじゃないか。お前は結婚したらすぐニューヨーク支社の社長夫人だぞ!」
「ニューヨークには行きたいわ・・・でも・・・でも・・・恵美は、今、お父さんから離れたくないの・・・もう少しお父さんと一緒にいたい・・・」
「あぁ恵美よ・・・お前はなんて良い子なんだ・・・疑ったりして、お父さん悪かった・・・ お前ほど、純粋で、愛があって、親孝行な娘はいない・・・」
「お父さん・・・大好きよ。あ・・・それと、これは大した事じゃないんだけど、一応、報告だけしておくね♪」
「うんうん。なんでもお父さんに言いなさい。お父さんはお前の味方だ。」
「こないださぁ、銀座から帰ってきたら、ポケットに100万円くらいのダイヤモンドの指輪が入っていてさ、死ぬほどびっくりしたんだけど、どうやら無意識に泥棒してるみたいなんだよねw。あと、先月、務めていた一流銀行はさ、たったの1000万円横領したら、解雇されちゃってさ、いやぁ、まいったまいった♪ その1000万円はどうしたかって? あはは、ホストクラブに100回行ったらなくなっちゃってさ♪んで、お金を銀行に返さないといけないから、昼はソープで、夜はヘルスで、お金稼ぎまくってるから、大丈夫よ。でも、そろそろ返済終わるかなぁーって思ってたら、競馬にハマっちゃってさ、賭けるお金がないから、闇金融からお金借りたら、あっというまに100万円の元金の利息が、1000万円になっちゃってさ、いやぁ、こまった、こまったぁ・・・でも大丈夫、個人破産申請して、海外に逃げるつもりだから・・・あと、これも大したことじゃないんだけど、あたし、妊娠してんだよねww 父親は誰かって? あははは、5人くらいとまとめてやっちゃったから、ぜーーぜんわからないww もしかしたら、黒人のボブ君かもww まぁ、大した事じゃないけど、一応、報告しとくねwww 」
「 で・・・出て行け・・・馬鹿娘!! 」