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君と見たソラ  作者: 華姫
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君と出会ったソラ

君と出会った初めての。大樹との出会いの3年前の話です。

誤字脱字等はお気になさらず・・・大目に見てくれればうれしいです

「うぉーい。転校生が来たぞぉ!!」

ったく、うるさいなぁ。うちのクラスの男子はいつもこうやって騒いでる

休み時間も授業時間もずーっと。思わずため息が出ちゃうよ

「玲奈。いつになく機嫌悪いね」

「うるさい、真由(まゆ)。だってさぁ・・・最近暇じゃない?」

「まぁね。でも、転校生が来たって言ってたよ?」

「どうせ嘘でしょ。前西(まえにし)が言うことなんてあんまり信用できないよ」

あたしは頬杖を突きながら外を見た

外はさんさんと晴れている。

外で遊びたいなぁ・・・

だけど昨日の雨でグランドがぬかるんでいるからサッカーとかはできない

「おい、進藤!!だぁれの言うことが信用ならないってぇ?」

ずかずかとがに股でその巨体を支えながら歩いてきたのは前西だった。

小学3年生なのに・・・なぜあんなに太っているんだろう

ガキ大将のイメージぴったりだ。

「あんたですよ、あんた。」

「ほんとだし」

「何がほんとよ。1週間前だっておんなじこと言ってたけどこなかったじゃない。」

「あれは・・・手違いだ」

何が手違いだ

ていうか何の手違いだ

「まぁまぁ。ケンカはよくないよ。今日の朝の会の時にわかることだから。ね?」

と、あたしたちをなだめる真由。

思わずほほをぷぅっとふくらましそうになるような勢いだ

どうしてあたしが悪いみたいな感じなわけ?意味わかんない

あ、ちなみに朝の会とは朝礼のようなものだ。

「へっ、見てろよ、東屋。今日はほんとのほんとなんだからな」

「楽しみにしてますぅ」

と嫌み交じりに言い返す

どうせ転校生なんて来ないよ・・・

「朝の会始めるぞー」

「起立、礼」

「おはようございます」

「着席」

日直ガサッと号令をかける

「今日は転校生を紹介しよう。入っていいぞ」

本当だったんだ!!!

あたしの気持ちは一気に跳ね上がった

どんな子だろう。

女の子かな?男の子かな?

ドキドキしている

ウキウキしている

こんな気分は久しぶりだ。

そして今一番うれしいのはあたしの隣の席が空いていることだ。

もしかしたらあたしの横に・・・

女の子だとうれしいのになぁ・・・

ガラガラッ

という音を立てて扉が開いた

「彼が今日転校してきた・・・おっと、自己紹介してくれ。」

先生・・・危機一髪だったけど、転校生と言えばの一言を奪い取りそうになっていたのは見逃さなかった

「僕は隣の町から引っ越してきた東屋大樹です」

東屋君・・・

結構な美少年だった。

なんというか・・・こう・・・胸の奥がギュっとした

自分でもわかった

これは一目ぼれだ・・・

「かっこいい・・・」

思わず口からその言葉が零れ落ちた

もっと彼のことが知りたい

「じゃあ席は・・・進藤の横に」

先生はあたしを指さした。

指差されたことに一瞬ムカッときてしまったが

何よりも彼があたしの横の席に座るということがうれしかった

「はい。」

彼はそう言ってさっそうと歩いてきた

ピンと伸びた背筋

にこやかな笑顔

サラサラの髪

透き通るような目

爽やかな声

彼のいいところを言っても言い切れないほど・・・かっこよかった

「進藤玲奈ちゃん?よろしく」

彼は爽やかに笑った。

でもなんであたしの名前を知っているんだろう?

とにかく挨拶しなきゃ

「よろしく」

緊張して言葉が出なかった。

「あ、東屋君・・・」

「大樹でいいよ。」

えー?!

男の子を・・・しかも一目ぼれの相手を・・・呼び捨て?

ぎゃー!!

「じゃ、じゃああたしも玲奈でいいよ。ところで」

「ん?」

「た、大樹。なんであたしの名前知ってたの?」

言っちゃった!!

大樹って言った!!

すごい!!

「先生から聞いたんだ。君の名前はすぐ憶えられたよ」

「なんで?」

「知り合いの人の名前と似てるから」

あ、そう。

まぁいいや。

「これから仲良くしてね、玲奈」

名前を呼ばれた瞬間顔が真っ赤になった

「ド、どうしたの?僕変な事言った?」

「う、ううん。違うの。あの・・・暑くて・・・」

「暑いの?」

大樹は心配そうにあたしのことを下敷きで仰いでくれた。

もっともっと熱くなっちゃうよ・・・

「涼しい?」

「うん。ありがとう」

女の子は恋をすると可愛くなるってお姉ちゃんが言ってたけど、本当にあたしはかわいくなれるかなぁ?

大樹に振り向いてもらえるかなぁ?

それからの授業なんて全く頭に入らなかった。

ずっとずっと大樹のことばっかり考えちゃって。隣を見ただけでもう顔が赤くなりそうだった。

「玲奈。転校生君が隣なんて羨ましいなぁ・・・・」

「すんごくうれしい。かっこいい」

「・・・どんな感じの子なの?」

「とにかく王子様なの!!優しくてかっこよくて・・・もう、オーラからして違うから!!」

「へぇ」

学校に。大樹の横にもっと長くいたいのに・・・

「もしかして玲奈」

「なに?」

「東屋君のこと好きでしょ?」

え、え、え、えーえ!!

「わ、わかる?」

「顔に書いてある」

思わずほほに手を当てる

「そんなにわかる?」

「なんか、東屋君の子と話してる時だけ乙女になるよね」

「えぇ?!そ、そうかなぁ?」

「そうだよ。そんな態度じゃあすぐにみんなにばれちゃうよ?」

「え、それはやだよぉ・・・」

「じゃあ態度に表わさないこと」

「はい・・・」

顔に書いてあるかぁ・・・

だって仕方ないじゃない

大樹のこと考えたり話したりすると・・・本当に顔がにやけるというか・・・

「帰りの会始めるぞ」

「あ、先生が来た。」

あぁ・・・もっと真由に相談したかったのに

「ねぇ玲奈」

?!

た、大樹が話しかけてきた。

どうしよう・・・・また赤くなっちゃう

「なに?」

「さっき神野さん(真由)と何話してたの?すんごく楽しそうだったけど」

真由と?

見てたんだ・・・

「え、ぇえぇ?うーんと・・・夕ご飯の話?」

「本当に?」

「う、ん・・・あの・・・今日はハンバーグがいいかお寿司がいいかって」

「へぇ」

なんなのよぉ

恥ずかしすぎるんだけど

「僕はお寿司かな?」

「え?」

「僕はお寿司のほうが好きかな?みたいな」


そういって無邪気に笑った君

君の笑顔がすごく好きだったんだよ

今でも覚えてるんだ。

未練とかしつこいとか言い方によっちゃあいろいろ言えるけど

あたしはただ君との時間が世界で一番大切だったから

たまにはアルバムをめくることだって大切じゃない?


まずは本文第1話です。次の話はちょっと長くなるかもしれませんが楽しんでいただけたら幸いです。ちょっと説明をしておくとヒロイン(?)の名前は進藤玲奈です。そして彼女の好きな相手は東屋大樹。主人公の友達の神野真由です。ごちゃ混ぜにならないようご注意ください。ここまで読んでくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

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