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関西弁の銀髪ハーフ美少女が俺を照れさせたいらしいが照れてるのはいつもあっちだ  作者: 夜天 颯


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2/15

2.なあ湊くん、顔ちょっと赤ない?

翌朝。


教室のドアを開けた瞬間、俺は少しだけ足を止めた。


 理由は簡単だ。


 俺の席の隣に、すでに人が座っていたからだ。


 銀色の髪。


 青い瞳。


 机に頬杖をつきながら、窓の外を眺めている。


 昨日転校してきたばかりの――


 白銀ルナ。


 俺に気づいた瞬間、その瞳がぱっとこっちを向いた。


「お、湊くん」


 にやっと笑う。


「おはよ」


「おはよう」


「今日もちゃんと来たんやな」


「学校だから」


「いや、もしかしたら昨日のうちの可愛さで動揺して休むかな思て」


「ない」


「即答!」


 白銀は机をばんっと叩いた。


「なんで!? そこはちょっと迷うとかあるやろ!」


「ない」


「なんでやねん!」


 朝から元気だな。


 俺が席に座ると、白銀がすっと顔を近づけてきた。


 距離が近い。


 というか――近すぎる。


 昨日より近い気がする。


「なあ湊くん」


「なに」


「顔ちょっと赤ない?」


「普通」


「ほんま?」


 白銀はさらに顔を寄せる。


 目の前に青い瞳。


 距離、二十センチくらい。


 いやもっと近いかもしれない。


「近い」


「えー」


「近い?」


「近い」


「でも嫌やないんやろ?」


「……」


 昨日のやり取りを思い出す。


 確かに「嫌ではない」と言った。


 白銀はそれを思い出したのか、にやにやしている。


「ほらな」


「何が」


「嫌やない顔や」


「顔で判断するな」


「してまうんよなあ」


 白銀は楽しそうに笑った。


 そのとき、後ろから声がした。


「白銀さん、朝から桐谷で遊んでる?」


 振り向くとクラスの男子が立っている。


「遊んでへん!」


「えー」


「めっちゃ遊んでるじゃん」


「ちゃうし!」


 白銀は腕を組んだ。


「これは作戦や」


「何の?」


「湊くんを照れさせる作戦」


 教室が少しざわつく。


「まだやってるのそれ」

「昨日も言ってたな」


 白銀は俺を指差した。


「こいつ、全然照れへんねん」


「難しい相手やで」


「だから今日は本気出す」


「宣言」


 俺は言う。


「無理だと思う」


「むかつく!!」


 白銀が机に突っ伏した。


 周りが笑う。


 そんなやり取りのあと、授業が始まった。


 だが。


 白銀は当然のように静かに授業を受けるタイプではなかった。


 数学の授業中。


 つんつん。


 袖をつつかれる。


「なあ」


「何」


「これどこ?」


 ノートを指さしている。


「そこじゃなくて一個上」


「どれ?」


 俺が指を指す。


「ここ」


「……」


「なに」


「優しいな思て」


「普通」


「普通でそれなん?」


「授業中だし」


「ふーん」


 白銀は小さく笑った。


 数分後。


 また袖をつつかれる。


「なあ」


「今度は何」


「湊くん」


「なに」


「うち可愛い?」


 小声で聞いてくる。


 授業中だぞ。


「可愛い」


「……」


 白銀が固まる。


 数秒後。


「なんで普通に言うん!?」


 小声で叫んだ。


「聞かれたから」


「いや聞いたけど!」


 前の席の男子が肩を震わせている。


 白銀は机に突っ伏した。


「ほんま最悪……」


「なにが」


「こっちがからかってるはずやのに、うちが赤なるやん」


 耳まで赤い。


 休み時間。


 白銀は机をぐいっと寄せてきた。


「なあ湊くん」


「なに」


「作戦変更するわ」


「何の」


「照れさせ作戦」


「変更?」


「距離戦法」


 意味が分からない。


 次の瞬間。


 白銀がぐっと顔を寄せてきた。


 近い。


 また近い。


「これどう?」


「何が」


「ドキドキする?」


「別に」


「なんでやねん!」


 白銀が机を叩く。


「普通ちょっとくらい動揺するやろ!」


「しない」


「なんでや!!」


 クラスがまた笑う。


 白銀は机に突っ伏した。


「おかしい……」


「なにが」


「うち、からかうの得意なはずやのに……」


 そのとき、女子が話しかけてきた。


「白銀さんさ」


「ん?」


「桐谷のこと好きなの?」


 空気が止まる。


 白銀が固まる。


「……は?」


「だってめっちゃ話してるじゃん」


「昨日からずっと」


 白銀は数秒黙った。


 それから俺を見て。


 にやっと笑った。


「まあ」


「おもろいからな」


「からかいやすいし」


 そして小声で言う。


「嫌いやったら喋らへんけど」


 俺は普通に答える。


「ありがとう」


「……」


 白銀が固まる。


「なんでお礼言うん!?」


「褒められたから」


「褒めてへん!」


「そう?」


「そうや!」


 白銀は顔を覆った。


「ほんま調子狂うわ……」


 昼休み。


 俺が購買パンを出すと、白銀が言う。


「なあ」


「うん」


「一緒に食べてええ?」


「いいよ」


「断らへんのや」


「断る理由ない」


「優しいなあ」


「普通」


「その普通がずるいねん」


 白銀は弁当を開けた。


 しばらくして言う。


「なあ湊くん」


「なに」


「うちのこと」


「好きやろ?」


 またそれか。


 俺は答える。


「別に」


「なんでやねん!!」


 白銀は机に突っ伏した。


 そして小さく言う。


「……でも」


「なに」


「嫌われてないならええけど」


「嫌ってない」


「……」


「ルナ?」


「名前で呼ぶなや!」


 顔を隠している。


 耳まで赤い。


 でも小さく笑っていた。


 そして俺を指差す。


「覚えとき」


「明日は絶対」


「湊くんをドキッとさせる」


「宣言」


 俺は言う。


「難しいと思う」


「むかつく!!」


 教室がまた笑いに包まれた。


読んでくださりありがとうございました

第3話がこの後21時に更新するので

よろしくお願いします!

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