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概要

 東京襲撃人トウキョウシュウゲキジンは、弱きを助け強きを挫くをモットーに弱者救済を謳っている組織ですが、実際は過激な武装テロ組織です。


 阿部カヲルという年齢性別不詳の存在をリーダーに活動中。現在確認が取れているもので312件、当組織が主たる犯行であることが分かっております。


 過去に計5回、阿部カヲルと名乗る人物の逮捕・確保に至るも失敗に終わっています。


○1度目

 取り調べ中、自ら頭蓋を撃ち抜き絶命


○2度目

 取り調べ中、署内に神経性の有毒ガスが充満し容疑者阿部カヲル(自称)含む全職員が死亡。非職員である一般人は全て無傷で生還している。


○3度目

 阿部カヲル(自称)を取り押さえパトカーで連行中、全く無関係の一般人にすり替わっていた。

 しかし、その彼に聞くと取り押さえた警察官5名(内巡査長3名、警部補1名、警部1名)から身分証等の確認後、強制的に連行されたと証言あり。

 後にこの時の警察官5名は減給処分と成る。


○4度目

 取り押さえようとした直後、遠距離からの狙撃により、阿部カヲル(自称)の頭蓋が撃ち抜かれ絶命。


○5度目

 機動隊による包囲・防護による第三者の介入を防いだものの、阿部カヲル(自称)の自爆によって32名の機動隊員の内12名が死傷(内死亡8名、重傷3名、軽傷1名)。


 阿部カヲルは他者への精神干渉能力が備わっており、取り調べを担当した警察官からは犯罪者特有の特徴を持っておらず、また終始落ち着いておりとても丁寧な言葉を自然と使いこなし、また動作も一貫して物腰柔らかであり知的でカリスマ性溢れる性格という印象であり。

 また監視カメラの映像を照らし合わせても担当者複数人の証言と一致しています。


 彼の能力はその知能の高さから由来する話術であり、心理学と人間の精神原理を熟知し、喩えどんな人間であろうとも自身に心を開かせる事ができます。

 しかもそれらはこちらが無理に聞き出したという訳でもなく、警察官との談笑の中で彼が自分の意思で告白したのであり、その他にも彼はまるで秘密ごとなどないかのようにまるで自分は危険な人間ではないかのように錯覚させますが、話の舵はいつどんな時でも彼の手に渡っており、上手いように話の流れを操作し、話を逸らすまでもなくそもその話題に至らせないという対話能力があります。


 また観察能力にも秀でており、分かりやすく発揮された事の一つに取り調べの最中、阿部カヲルは担当の警察官が着用していたシャツに着目し、最終的に一家の問題点を洗い出し、彼と妻子の関係を良好なものへと修復したという過去があります。

 彼を担当した警察官が言うには、あまりにも話しやすすぎるというもので、以下は阿部カヲルがどのような人物だったかと言う印象を纏めたレポートの一部分である。


■■■■年■■月■■日(■)■■:■■:■■


担当:木村


《省略》


 安倍カヲルは、正直なところ悪い印象を受けなかった。終始穏やかで、必要な事には全て答えてくれた。黙秘権があることも伝えるくらいには色々と喋っていた。

 不思議なことだが、不審感をどうにも抱けず、まるで普通の人のようだった。これまであらゆる人を対応していたが、話す事や振る舞いにわざとらしさが無く、終始自然な感じがした。

 会話スキルが異様に高く、こちらが言った事をいい感じにまとめてくれたり丁度よく言い換えてくれたりと話していてとても心地よく、若そうな見た目なのにも関わらずどこか親近感を覚える。

 些細な部分まで気を配れている人なのだろうと直感した。それを一番に感じたのは妻子の事で、それへの悩みを言い当てられるも、最初からそれを聞くのではなく、段々とそちらへ話の舵を切っていくように聞いてくるので、話の最中も全くと言っていいほど苦ではなく、言いたいことも上手く彼が捌いてくれておかげでスッキリできた。


 しかし、対応すればするほど彼は冤罪で捕まったんじゃないかと、逆にそちらを疑い始めたところでおぞましさも感じた。


《以下省略》



 阿部カヲルと名乗る存在はこれまで32体確認されています。

いずれも当時の阿部カヲルが死亡した直後、彼の部下から新たな阿部カヲル(自称)が現れ、容姿や声に差異はあるものの振る舞いや演説はオリジナルとされる阿部カヲルと遜色ないレベルにまで再現されてあります。


未だどのような仕組みでそれが起きたのか不明です。


 また、それぞれ個体差はあるもののほとんど似た風貌であり


・赤い瞳

・ポニーテール

・グレーの髪

・紳士の振る舞い

・背丈は150~160

・軽薄な笑み


以上が共通の特徴です。


 東京襲撃人の組織形態はあまり分かっていません。

 目立った行動が見られるのは常に素顔を表している阿部カヲルだけで、その配下/部下とされる能面をかぶった男達はいつどこで何をしているのかが未だにわかっていません。

 しかし、時折彼が能面を車に乗せて走行している所が目撃されています。


 共通した特徴に必ずスーツを着用している点が挙げられます。メーカーは指定されていないようですが組織内すべての者が一級品のオーダーメイドとなっており、毎度シワ一つないシャツに各々デザインの違うスーツを身に纏っています。

 また、阿部カヲルは異様に身だしなみに執着しており、誤ったスーツの着用、誤ったアクセサリの着用をした部下は自ら殺害しています。

 以前、あべのハルカス倒壊テロにより姿を現した時は、シャツの出ていた部下を射殺した姿が確認されています。


 東京襲撃人はかなり重度な匿名性を有しており。

 何度と公安による調査が行われたものの、彼の所在ははっきりしておらず。至るところに出現します。秘密裏に武器を調達しており、度々その銃火器でテロを起こすことはわかっているのですがこちらの流出源も未だに特定できてません。


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