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エクストラストーリー

ラスボスとの戦いもハッピーエンドです。

運命の女神のいたずらで、悲劇の舞台に立たされた2人の恋愛物語です。

皆様の心に幸せを届けます。

 2人は、オニ狩り剣士陽光と、オニ族王女月夜見つくよみの転生者であることを想い出した。


 そして東都市に帰り、普通の日常が数か月過ぎていた。


 今日は、駅前のコーヒーショップに2人で向かい合い座っていた。


 やっと、ようやく――


 日向光ひゅうがこう月夜美つきよみに申し込むことができた。


 それには、信じられないほど無限の次元を超え、無限の時間が必要だった。


「夜美さん。妻になってくれませんか‥‥ 」


「はい」

 反射的に間髪を入れず彼女は返事をした。


「速攻でお返事していただいてうれしいのですが。よく考える必要もあるかと」


「ふふふふ あなた、よもつひら坂の岩の上に2人で並んで座っていた時、今の言葉を言うのを止めましたね。私にはよくわかりました」


「えっ!! あの時、ばれていたのですか? 」


「はい。もちろんですよ。おおらかな性格のあなたは、自分の本心を隠すことができませんからね」


「何回も転生してもあなたは変りませんでした―― 1つのことだけを除いて―― 」


「1つ変りましたか?? 」


 彼女はその質問には答えず、自分の横から何かを出そうとする仕草をした。


「お茶を持ってきています。どうですか」


「あの―― ここのコーヒーを私はお気に入りなんです。1日に3回飲んでしまうこともあります。ウェブの情報では、健康のため1日2回までにしなければならないのですけれど」


「ふふふ。変りました。あなたはよもつひら坂の岩の上で、私がお茶を飲むことを進めたら、『いえ。今は止めときます。転生後の世界で一緒に飲んでください』って‥‥‥‥ 」


「あっ!! そうでした」


「良いのですよ。この世界のコーヒーはお茶とは少し違いますが、美味しいですからね。私も大好きです。

でも、お茶の方がもっと好きですけど」


「結婚式はどうします? 」


「会場ですか。有力候補があります」


「どこですか? 」


「私の兄、真黒神主に祝詞をあげていただきたいのです。陽光神社はどうですか? 」


「はい。もちろん、陽光神社で結婚式ができたら最高ですね」




 2人の結婚式の日になった。


 式は身内や親しい友人達が参列してくれた。


 夜美の兄である真黒神主が、古来から伝わる祝詞(のりと)をあげた。


 その後、披露宴をするホテルへ参拝客は移動した。


 着替えをして、新郎新婦の2人もホテルに向かおうとした時のことだった。


 2人は真黒神主に止められた。


「兄様。何か」


 神主の顔に少し異変があった。

 大変疲れ切った顔をしていた。


「夜美さん。この神社に闇の世界から近づいてくるものがいます。私が特別な祝詞で結界を強くし防いでいましたが、その力はとてつもなく強く。もう限界です」


「兄様。何が近づいてくるのですか? 」


「わかりません。でも、強く感じるのは、夜美さんと光君への強い敵意をです。正しくは、月夜見と陽光への強い敵意でしょう。光君、戦わなければなりません」


「はい。私は世界最強の剣士だったのです。夜美さんとの結婚式を挙げている大切な日に。たぶん、誰かわかるような気がします」


 真黒神主が言った。


「神棚の上に、この神社に伝わる法具があります。剣です。それをお使いください」


 日向光は神棚を上を見ると、とても古ぼけた古代の剣があった。


「黒斬!! 」


 かって、彼とともに戦った剣だった。


 彼が黒斬を手に取ると、周囲に音がこだました。


 キ――ン


 戦う準備が整った。


「光君。今、結界が壊れます」


 真黒神主がそう言った途端、周囲の空間ががらっと変わり、次元が変異したようだった。


 やがて、空の高い場所から神社の境内に向かって坂が降りてきた。


「よもつひら坂!! 」


 そして、坂の上からたくさんの獣がふもとに向けて殺到してきた。


「影狼の大群か、久し振りですか」


 黒斬を手にした日向光は、降りてきたよもつひら坂にジャンプして飛び乗った。


 すると、空の上をかけてきた馬が彼を乗せた。


「コウ」


「陽光、妹は私が守る。安心して戦え」


「深黒さん」


 彼はコウを走らせ、よもつひら坂をすさまじいスピードで登った。


「影狼、いつもいつも卑怯だな。今日みたいな大切な日の邪魔をして」


 世界最強のオニ狩り剣士、陽光はコウと一体になって宝剣黒斬を振った。


 億匹はいた影狼は、すぐに大きく数を減らした。


 やがて怖じ気づき、よもつひら坂を反対に登って逃げ始めた。


 よもつひら坂の上は影狼の死体だらけになり静かになった。


 しかし、やがて、坂の上の方から強い邪悪な鼓動が聞こえ始めた。




 すぐにそれは姿を現わした。


「まあまあまあまあ。人間としては強いのね、でも神ならばどうでしょう」


「あなたは? 」


「陽光さん。覚えているかしら。私は元、運命の女神です。あなたと、あの王女月夜見に悲劇を作ってもらおうとしたのですが、あなたたちは、どれだけ運命に抗うの!! 」


「どこが悪いのですか。運命に抗うのが人間なのです。それに、私と月夜見さんは心の底から愛し合っています。2人の未来を閉ざそうとするものは、たとえ神であろうとも絶対に許しません!! 」


「あらあら。ずいぶん勇ましいのね。神に対してそんな言葉を言い張るなんて。もっとも、私は今、邪神、怒る神。たたる神、どれだけ人間に軽蔑されてもいいわ。最強の神に人間は勝てない」


 運命の女神は邪神となり、たくさんの負のオーラを体にまとっていた。


 それは大変恐ろしいものだったが、陽光は少しも恐れなかった。


 よもつひら坂のふもとの神社の境内でその様子を月夜見は見ていた。


 彼女は大声で叫んだ。


 それは言霊となり、女神に伝えられた。


「女神様に抗議します~悲劇のヒロインには絶対になりませんから~あなたの気まぐれにはつきあいません!! 」


 言霊は女神に届き、邪神の負のオーラ-を吹き飛ばした。


「生意気な娘ね。私の強さの根源が否定されるじゃない」


 その時、コウと一体となって、陽光はよもつひら坂を駆上がっていた。


 すぐに女神に近づき、宝剣黒斬が一閃された。


 邪神となった女神が最後に言った。


「諦めない2人ね。負けたわ、私の負けよ。あなた達のこれからの未来を、心から祝福するわ」


 邪神となった女神は消滅した。




 運命の女神は、再び天上界に再生された。


 最高神とたくさんの神々がそこにいて、拍手した。


「これは???? 」


 最高神が優しい顔で説明した。


「帰還おめでとう。お前は、絶対に諦めない人間の恋人2人に負けたことを認めた。運命の女神として正しい行いをした。だから天上界に再生できたのだよ」

お読みいただき心から感謝致します。

最終エピ-ソードに、是非是非御期待ください。

1週間一生懸命考えます。(もしかしたら、仕事上の懸案よりも♡♡♡)





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