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妄想の帝国

妄想の帝国 その90 R症候群強制治療法施行

作者: 天城冴

ネトキョクウ他に祭り上げられ、各方面で暴言連発のミズタ・ミャクミャク議員は裁判所より公的にレイシストと認定されたが、それでも暴走しまくる彼女は再び呼び出され…

ニホン国、首都トンキョー、某裁判所

「な、なんで、私、また呼び出されたの!!」

と、叫んでいるのは国会議員のミズタ・ミャクミャク。先日、SNSほかでの差罰発言で人権侵犯した差別主義者と公的に認められた判決を受けたばかり。が、反省、謝罪、後悔の念などナノミクロンもみせず、逆に裁判判決にイチャモンをつけるというサルも呆れる言動を繰り返している。

「本当にわからないんですか、貴方。判決に正式に意を唱えるならまだしも、SNSで理解不能な文章を発信し続けるとは」

嘆く裁判長に対しミズダ氏は

「だから、アレのどこが、あんな奴らと同じ空気を吸っているだけでも気分が悪いのどこが人権侵犯なの!人権の定義なんてないしいいい」

「貴方の言動のほうが、頭が痛いです。ニホン国憲法をきちんと理解していないようだし、やはりあの法の第一の執行対象というか保護対象はミズタさん、貴方になりそうです」

「何よ、またよくわからないことを!!」

とミズタ氏が叫ぶと同時に警備員のようなの男性数名と白衣の女性が彼女の周りを取り囲んだ。

「?」

意外な展開に口を開けたまま硬直しているミズタ氏の両脇に男性がたち、女性が事務的な口調で

「事前提出された血液、CTスキャン、他の計測と、その言動により“R症候群”であると診断されたため、ミズタ氏を強制収容、ただちに治療を開始します」

と告げると、両腕を即座に拘束された。

「わああ、何するのよおお」

「ミズタさん、貴方は“レイシスト・シンドローム”すなわいR症候群の患者です。手当たり次第、気に入らない相手を侮辱、軽蔑、差別する。公共の場での配慮などなし、仕事上わきまえなければならない立場も忘れ、さらに家族にまで差別的言動をまきちらすという、おおよそ成人にあるまじき振舞。最新の研究で、このような振る舞いは一種の発達障害とされました。栄養不足や先天的異常により脳のシナプス回路に異常がでたため、また脳腸相関による食生活の偏りなどの原因も指摘されています」

「わ、私はおかしくなんかない!だ、だいたい発達障害だって、職に就いてる奴らだっているじゃないのおお」

喚くミズタ氏に女性は冷静な口調で

「それは社会的に適応している場合です。R症候群患者は適応しているというより、周囲の寛容さに甘えているというか、配慮をせずにレイシスト言動を行います。それが周囲に多大なる害をおよぼしています。現にかなりの被害がでています。世界各国で被害が続出し、とくにニホン国は新型肺炎ウイルス並みの悪影響がみられます。よって迅速な治療が必要とされ、WHOの異例な速さでニホン国政府に強制、もとい働きかけ強制的な治療を行えるという法がさきほど制定されました」

「そんなああ、聞いてないわ!私、国会議員なのにいい」

暴れるミズタ氏に淡々と告げる女性。

「R症候群患者であることが判明した時点で、議員資格を自動的に失うことになりました。これは昨夜、患者をのぞいた議員を緊急臨時国会で制定されました」

「って、いくらなんでも無茶だわ!与党ジコウ党の役職もやったのよおお」

泣きわめくミズタ氏につくづく呆れたという口調で女性は

「あのー、今までジコウ党の皆さん、それぐらいの無茶やったんですけどね。それに今回はアトウダ副総理、ハギュウダン議員、ホンソダ元議長など、ジコウ党議員の大半の方々の罹患が確認されたので、ほとんどジコウ議員は議員の役をとかれたので、与党ではなくなったのですけどね。まあ、メイジの党なんてかなり重症ですので、ほぼ全員収容され解党になりました」

「そんな、それこそ差別よ!!そんな弾圧がなによお!私にはネットテレビやSNSのインフルエンサーにも味方がああ!」

「その差別に加担したネットテレビの責任者、スタッフ、関係者やジコウ党にやとわれ悪質デマを広げた会社の方々も一緒ですよ。SNSで差別言動をまきちらしたインフルエンサーの方がたもね。ご家族からの通報で本人が特定できたケースが多くて。やはり酷い病気ですから、ご家族も持て余してたようで、早期の治療、収容をお望みでした。あ、アナタのご家族もですよ。娘さんはぜひ、お母さんの病気を治してほしいと」

「そんな、そんなことをいうのは私の娘じゃないわ!」

「そうですね、ここ数年会話もロクにかわしてないということで。そのせいか、娘さんはR症候群ではないようです、よかったですね」

「いいもんですか!なんで、私に逆らうのよ!これもそれもリベラルの陰謀!私は負けなあああい!」

と激しく抵抗するミズタ氏に女性は注射を打った。

「なに、を、し…た」

「一刻も早く治療するための注射ですよ、精神をマトモにするためにね。さあ、施設に行きましょうか。ニホン国のR症候群患者は多いですからね。それに製薬会社も。すでに新薬、新治療法が実験段階にありますから、いろいろ試して、最適な治療法が発見できるといいですねえ。では、裁判長、これで失礼します。お騒がせしました」

ぐったりしたミズタ氏をひきずりながら女性たちは出て行った。


どこぞの国ではレイシスト認定された議員さんらがいるようですが、反省を促すより、一種の治療を受けさせた方がいいのではないでしょうか。言動を精神科医ほかの専門家に診断してもらったら、適切な処置をしていただけるのではないかと思うのですけどねえ

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