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第17話 相談してみるもんだ

総合評価が100ptに達しました。

評価、ブックマーク、いいねをしてくださった皆様のお陰です。本当にありがとうございます。

(もっと頑張れやと思われた方、そこそこおもろいやんけと思われた方、是非ポチッて下さい!)

 その後、辺境伯には僕のこれまでの経緯を色々と話した。アークドイン帝国に命を狙われていること。帝国には【予知】スキル持ちがいること。それを承知の上でマイルドさんは僕を預かってくれていること。たた【商い】スキルのことは話していない。辺境伯は「あの魔力なら狙われるのも仕方ねぇな」と納得していた。


 辺境伯はマイルドさんと二人で話がしたいということで、僕は別の部屋で待たされた。その間カネル村にいる家族と【意思疎通】で話をした。

 一通り皆と話したあとは暇だったから、ドラゴンに色々と話をすることにした。何か色々と知ってそうだしね。


『それで、辺境伯からは騎士にならないかって言われたんだよ。僕は商人なりたいから勿論すぐに断ったんだけどね』

『主殿は正直商人の器に収まらぬと思うのじゃが、商人になって何をなさるおつもりか?』

『お父さんが商人だったから、僕もお父さんみたいな商人になりたいと思ってるだけだよ。何かを売ってお金儲けをしたいとかじゃなくて、お客さんの笑顔を見れたらなって思ってる』

『成程、御尊父様は素晴らしいお方ですのう』


 ドラゴンにお父さんを褒められて妙に嬉しかった。


『しかし、理想像を追い求める以外に主殿に欲はないのか? こう言っては何だが、ドラゴンを従えた人間は主殿が初めてであろう。我を使えば大抵のことは思いのままとなるぞ』

『欲? 勿論あるよ。まぁ、もうかなわないんだけどね。僕は本当は【アイテムボックス】とか【鑑定】とか欲しかったんだ』


『ふははは。やはり欲がない』

『そう? まぁ、【商い】スキルはすごいスキルだと思うけど、未だに【アイテムボックス】と【鑑定】はあったらいいなって思うからね』


『ただ、その二つのスキルについては我が力になれるやも知れぬ』

『ほ、ほ、ほ、本当に?』


 ちょっと想定外の返しに興奮が留まるところを知らない。


 まてまてまて、落ち着け。

 一先ずドラゴンの説明を聞こう。


『方法は2つ。そのうち1つは方法というより可能性に過ぎんがのう』

『うんうんうん。可能性でも何でもいいから早く教えて』


 2つ? 2つもあるの?


『1つは我が持っているスキルを主殿を通じて発動するというもの』

『えっ? そんなこと出来んの?』

『契約の鎖で繋がっているということは、我と主殿が魂で繋がっているということ。繋がりの度合いが増せば、繋がりを通じてスキルを発動することが可能となる』

『へぇ、そんなこと出来るんだ』


『とは言え、これはあくまでスキルを借りるにすぎん。我は【亜空の間】と【星の記憶】を持っておる故、主殿が望むときに、主殿に代わってスキルを発動させることが出来る』


 【亜空の間】? 【星の記憶】?


『何そのスキル?』

『【アイテムボックス】と【鑑定】の上位スキルじゃの』

『へぇ〜、へぇ〜、随分と良いスキルをお持ちなんですねぇ。へぇ〜。いや、全然羨ましくないよぉ。ドラゴンがいいスキル持っててよかったなって思ってるだけだよぉ』


『完全に僻んどるじゃないか』

『まぁ、それはさておきやり方の確認ね。僕がドラゴンにスキルの発動をお願いすれば、ドラゴンが僕を通じてスキルを発動出来るって理解で合ってる?』

『左様』


『それで繋がりを強くするにはどうしたらいいの?』

『1つは主殿が我の真名を知ること。もう1つはスキルを発動出来るくらいになるまで鎖に魔力を注ぐこと』


 真名って名前のことだよね。

 今までずっとドラゴンて呼んでたけど名前があったんだ。


『じゃあ、真名を教えて』

『我が名はアルバ・グランディーヌレクス。名を呼ぶときはアルバと呼んで頂きたい』

 

 アルバ・グランディーヌレクスね。忘れないようにしないと。


『分かった。アルバ。これから宜しくね』

『こちらこそ』

『じゃあ、早速だけど鎖に魔力を込めるから【亜空の間】と【星の記憶】を使ってみて』


 魔力を込めていくとアルバに繋がっている鎖が可視化していく。更に魔力を込めると光を放つようになった。


 そこで契約の鎖を通じて【亜空の間】と【星の記憶】が発動したのを感じた。


 スゴい。スゴい。スゴいぞ!

 本当に使えた! いや、正確には「使ってもらえた」だな。

『【亜空の間】は【アイテムボックス】と違い時間の流れが非常に遅く、食べ物を入れても腐ったりすることがほぼない。【星の記憶】は注ぐ魔力に応じて対象の情報を知ることができる』


『おおお、凄いな』

 これで、俺も父さんに一歩近づけたかな?


『それで、2つ目の方法は?』

『それは、単純明快でレベルアップじゃな』


 レベルアップ?


『レベルを上げるとは、魂の器を拡げることに他ならぬ。そしてそれはスキルの可能性を引き出すことに繋がる。【商い】スキルであれば、【アイテムボックス】や【鑑定】に相当する能力が秘められていても不思議はないと我は思う。むしろ主殿の魔力量を考えれば我の持つスキルよりも更に上位の能力が秘められているやも知れん』


 おお、成程。そういう可能性があるってことね。

 でも、【商い】スキルなんだからそういった能力が秘められていてもおかしくない。いやいや、僕は信じますよ。きっと秘められているってね!


 よし、個人的な今後の目標はレベルアップだな。

 なるべくなら借り物のスキルじゃなくて、自前の能力を得たいからね。

 

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