寒い日は
あぁ、今日は寒いな。そう思ったら、無性に君と話したくなった。電話してみようか、いや、もう夜だし迷惑かな、でも恋人だし許されるかな。試しにかけてみて出なかったら諦めよう、うん、そうしよう。
“はい。”
出た。
「あ、もしもし?急にごめん。今、大丈夫だった?」
“全然大丈夫ですよ。何かありました?”
「いや、特別用事があったわけじゃないんだけど、なんか、話したくなって。」
“…そういう時は『声が聞きたくなって』とか、言うんじゃないですか?”
少し揶揄うような口調。でも寒かったはずの外気が暖かくなった気がする。声だけなのに君の力は偉大だ。
「…うん、君の声が聞きたくなった。」
照れているような、でも、嬉しそうな笑い声がした。
ありがとうございました!